いま自然をどうみるか
高木 仁三郎 · 白水社
人と自然との新たな関係を描く名著 本書は、反原発運動を率いた「市民科学者」高木仁三郎が1986年に世に問うた自然哲学の名著。ギリシア神話の自然征服志向から、コペルニクス的転換、近代科学の「機械としての自然」像、民衆の自然観の蘇生、労働論まで、人間が自然を支配・操作の対象とみなしてきた歩みをたどり、科学の眼と感性の眼とに引き裂かれた現代人に、自由と解放の自然観への転換を促す。文明批判にとどまらぬ射程の広さゆえ、四〇年を経てなお読み継がれ、増補新版(1998年刊)で加わったチェルノブイリ以降の展望も含め、骨格は揺るがない。 3.11以降、脱原発の機運は高まったが、近年は再稼働や老朽炉の“建て替え”が語られ、賛否は再び揺れている。人間中心主義的な自然観が臨界点に達しつつあるいま、本書の根源的な問いは重みを増す。次の世代にも、自然との向き合い方を考える糸口となる一冊。解説=山口幸夫(原子力資料情報室共同代表)
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