ポリティカル・ラップ・イン・ジャパン
陣野 俊史 · 早稲田大学出版部
「考えが韻を選び、韻がコトバに社会性を導き入れる。そして批評が歴史を記す。」 ーーいとうせいこう(作家・クリエーター) アメリカによるイラク空爆、東日本大震災、安全保障関連法の成立ーー2000年代になり、日に日に濃くなる抑圧の影。そうした時代の空気に対して日本語ラップは鋭く反応してきた。米軍基地の町に暮らす人々や移民たちの声ものせ、歌われた抵抗の言葉の数々。ECD、Awich、NORIKIYO、DARTHREIDERらのリリックを辿るとともに、元SEALDsの「コーラー」牛田悦正のインタビューも収録し、運動の現場の声も伝える。ここに照らし出されるポリティカル・ラップの系譜! はじめに 凡例 第一章 サウンドカーに飛び乗るーーゼロ年代の風景 二一世紀から始める/二〇〇三年三月の記憶/極私的関係を作るーー「言うこと聞くよな奴らじゃないぞ」/日本語ラップの一人称/「殺すな」の現在形ーーHAIIRO DE ROSSI/地方への波及ーーTHA BLUE HERB/映画『サウダーヂ』から/ゼロ年代の終わりに 第二章 大震災のあとでーー復興と批判のあいだ なにか、できること/そりゃ、ないよ/言うこと聞かせる番だ俺たちが/ECD登場/一人称の問題/物語から遠く離れて/まぁまだまだひるむわきゃいかねぇ/「薪をくべる」--GAGLE 第三章 基地のうちそとーー沖縄と大和のフェンスをめぐって 壮大さへの距離感ーーAwich/自伝的な、あまりに自伝的な/ラップの言葉と「国語」/うちなーぐちの導入/意味と音声/大和という町ーー映画『大和(カリフォルニア)』/普通って何? 常識って何? 第四章 コール、ラップ、コレスポンダンスーー元SEALDs 牛田悦正インタビュー ただの学生として/コーラーになる/ラップはしない/二重の意味に聴こえる/器にならなければならない/音として/Worldwide Skippa について/別の道/政治とヒップホップを切り離す/少しだけECDのこと 第五章 移民のラッパーたちーーGREEN KIDS、Moment Joon、DARTHREIDER フランスの移民文化/ペルーとブラジルと、そして磐田/スペイン語の混在/アヤ・ナカムラと政治/オノマトペの効力/入管をラップする/入管とヒップホップ/ラップする資格/レイシズムと闘うために/身体の具体性/「われ怒りて視る」 あとがき
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