弥勒の聖境
泉武夫 · 中央公論美術出版
仏教絵画史研究でこれまで手つかずだった弥勒信仰に関する絵画について、弥勒菩薩とその浄土図(兜率天曼荼羅、弥勒上生経変とも呼ばれる)の造形を、発祥地のインド・ガンダーラから、中国を経て日本に至る展開とその変化を丁寧に解き明かす。さらに日本に現存する個別作品の詳細な分析によって、東アジア全体の広範囲にわたる図像伝播の仮説を提示する、国際的にも学術的価値の高い成果の公刊。 はじめに/序説 菩薩形弥勒と兜率天のかたち 第一部 総論 第一章 兜率天弥勒と兜率天宮図の系譜ーインドから中世日本ー/第二章 兜率天曼荼羅の斜め構図をめぐって/第三章 兜率天の護法神の形象 第二部 作品論 第四章 興聖寺蔵「兜率天曼荼羅」について/第五章 延命寺蔵「兜率天曼荼羅」の絵画表現/第六章 構図と思想ー貞慶ゆかりの「阿弥陀浄土図」をめぐってー/第七章 北宋の弥勒上生経変ー山西省・開化寺壁画を中心にー/第八章 西夏の弥勒上生経変ー酒泉・文殊山万仏寺壁画を中心にー/第九章 西ウイグルの弥勒上生経変ー北庭高昌回鶻仏寺址の遺例ー/第十章 北宋・西夏・西ウイグルの弥勒上生経変の異同と相互関係/第十一章 西夏期の『観弥勒菩薩上生兜率天経』刊行とその経絵について 第三部 附論 第十二章 「山越阿弥陀図」禅林寺蔵/第十三章 宋画の表現 普悦筆「阿弥陀三尊像」/第十四章 定印観音の図像的根拠と常照皇寺本/第十五章 「感得」の位相ー覚書ー 終章 兜率往生のイマジネーション
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